お子さまの永久歯は大丈夫?生え変わりの時期に気をつけたいポイント5つを解説!
2024.02.29
乳歯から永久歯への生え変わり
乳歯(子どもの歯)は、5~6歳ごろになると永久歯(大人の歯)へと生え変わり始めます。生え変わりの時期の乳歯は、ぐらぐらとするため食事が食べにくい、歯磨きもしづらい、などお子さま本人も保護者の方も何かと大変ですよね。乳歯が全て永久歯に生え変わるのは12~14歳ごろまでなので、生え変わりの期間というのは意外と長いものです。この期間にむし歯や歯肉炎などのお口のトラブルを予防するには、どのようなことに気をつけるとよいのでしょうか。知っておきたい5つのポイントをご紹介します。
1 乳歯の生え変わり時期には個人差がある
乳歯は生後5~6ヶ月ごろから生え始めることが多く、2歳半~3歳ごろまでに上下合わせて20本が生えそろいます。しかし、生え始める時期にも個人差があります。同じ月齢のお子さんがもう歯が生え始めているからといって、焦る必要はありません。乳歯から永久歯への生え変わりの時期も、個人差が非常に大きいものです。男児に比べて女児のほうが生え変わりのスピードが早いという研究報告もあります。一般的には生え変わり始めるのは5~6歳頃と言われていますが、7歳頃まで生え変わらないお子さまもいます。半年~1年程度のずれは大きな問題はありません。もし歯が生えてくるか心配な場合は、歯科医院でレントゲンを撮ってもらいましょう。レントゲンでは、乳歯の下に永久歯がつくられているかということも分かります。
2 第一大臼歯には要注意
最初に乳歯から永久歯に生え変わるのは、多くの場合で下の前歯です。その後、20本の乳歯すべてが前から奥に順番に生え変わり、12~14歳頃までに上下合わせて28本の永久歯が生えそろいます。その中で、一番奥の乳歯の後ろ(さらに奥)に生えてくる永久歯が「第一大臼歯」です。この歯は概ね6歳頃に生えてくることが多いため、「6歳臼歯」とも言われています。第一大臼歯は永久歯の中では前から6番目の歯で、歯並びや噛み合わせの基準ともなる歯です。
生え始めたばかりの歯はまだエナメル質も柔らかく、さらに奥歯の溝には汚れが溜まりやすいため、むし歯のリスクが高いと言えます。日々注意してお口の中を観察していないと生え始めたことに気がつかないこともあるため、注意が必要です。
3 生え変わりが完了するまでは仕上げ磨きを
むし歯や歯肉炎などのお口のトラブルを予防するためにも、生え変わり期はこれまでよりも一層丁寧に歯を磨くことが大切です。特に、生え始めの歯は低い位置にあるため、いつも通りに磨いても歯ブラシの毛先が届きません。お子さまご自身ではしっかり磨けていないことも少なくないため、保護者の方による仕上げ磨きは生え変わり期が完了するまでは毎日続けていただくことをおすすめします。仕上げ磨きをするときは、奥歯までしっかりと見えるようにお子さまを寝かせた状態で磨くのが理想です。
4 永久歯がまっすぐ生えてこないときは
ごく稀に、乳歯がまだ残っているにもかかわらず裏側や横から永久歯が生えてきてしまうことがあります。乳歯がぐらぐらしているようであれば、それが自然に抜け落ちるまで様子をみても問題ありません。しかし、1~2週間ほどたっても乳歯が動揺してこない場合は、その乳歯を抜歯しなければならないこともあります。乳歯と永久歯が同時に生えている「二枚歯」の状態は汚れが溜まりやすく、磨きにくいためむし歯や歯肉炎になりやすくなるため、早めに歯科医院を受診しましょう。
5 フッ素やシーラントでむし歯予防を
生え変わりの時期にむし歯を予防するためには、毎日の丁寧な歯磨きに加え、定期的に歯科医院でフッ素の塗布やシーラントの処置を受けることも大切です。フッ素は、むし歯を予防する効果がある成分で、エナメル質の再石灰化を促進する、歯質を強化する、細菌の働きを弱めるなどの効果が期待されています。シーラントは奥歯の溝をプラスチックの樹脂で埋める処置で、生え始めた第一大臼歯などに行うと効果的でしょう。
まとめ
今回は生え変わり期に気をつけたいポイントについてご紹介しました。生え変わり期のお子さまのお口の中は人それぞれで、そのお子さまに合った磨き方やセルフケアの方法を身につけることも大切です。当医院では、基本的な磨き方に加えて患者様お一人おひとりにとっての”正しい”歯磨きの方法をお伝えいたします。生え変わり期のお口の中のことや、毎日の歯磨きで気になることがございましたらどんな些細なことでもお気軽にお話しください。