小さな子どもにフッ素は安全?むし歯予防に効果的な理由を解説
2025.04.15
小さなお子さまの歯をむし歯から守るために、フッ素(フッ化物)が使われることがあります。しかし、フッ素の安全性について心配されるお母さんもいらっしゃるのではないでしょうか?今回は、フッ素の特徴やそのむし歯予防効果、安全性についてわかりやすく解説します。
フッ化物とは?
フッ化物とは、フッ素という元素を含む化合物のことで、自然界に幅広く存在しています。飲み水や食べ物だけでなく、骨や歯、唾液、血液など、私たちの体内にも含まれる身近な自然物質です。歯科医療で使用されるのは「フッ化ナトリウム」というフッ化物で、これはお茶に含まれるフッ化物と同じ種類です。一方、工業用に使われる「フッ化水素」は全く異なる物質で、強い酸性を持っています。その性質はむし歯予防に使用されるフッ化ナトリウムとは全く異なるため、不安を抱く必要はありません。
フッ化物のむし歯予防効果
フッ化物は、以下の3つの働きで歯をむし歯から守ります。
・歯質の強化
フッ化物が歯に取り込まれると歯の表面がより強くなり、むし歯菌が酸を作っても溶けにくくなります。
・再石灰化の促進
むし歯の初期段階で溶け出した歯のエナメル質を、フッ化物が元に戻す働きを助けます。
・細菌の活動抑制
むし歯菌が酸を作るのを抑え、菌の増殖を防ぎます。
フッ化物の応用方法
フッ化物の使い方には、以下の2つの方法があります。
・全身応用法
フッ化物を水道水に加える方法(フロリデーション)や、フッ化物を含んだ食塩やミルクを利用する方法を指します。
※日本ではこの全身応用法は採用されていません。
・局所応用法
歯磨き粉、歯科医院でのフッ化物歯面塗布、フッ化物洗口など、特定の部分にフッ化物を直接作用させる方法です。日本では主にこの局所応用法が広く利用されています。歯面塗布は歯科医院で行う個別ケアで、高濃度のフッ化物を用います。一方、フッ化物洗口は幼稚園や学校などで集団的に実施されることが多く、低濃度のフッ化物溶液で口をすすぐ方法です。いずれも適切な方法と濃度で使用すれば、安全で高い効果が期待できます。
フッ化物は安全なの?
フッ化物を含め、世の中に「絶対に安全」や「全く害がない」と言える物質はありません。しかし、歯科医師が定められた量や濃度、手順を守って使用するフッ化物は、安全でむし歯予防に非常に効果的です。
まとめ
フッ化物は小さな子どもにとっても安全で、むし歯予防に高い効果を発揮する自然由来の物質です。お子さまの歯をむし歯から守るためにフッ素について正しく理解し、必要に応じて歯科医院でのケアを受けましょう。