歯周病が原因で起こる疾患とは?|水戸市の歯医者

歯周病が原因で起こる疾患とは?

2023.06.15

みなさん、歯周病が万病の元ということをご存知でしたか?

たかが口の中だけのことでしょ!と思っていたら大間違いです!

歯周病をあまくみてはいけません。

 

歯周病はいまや生活習慣病の一つとされています。この生活習慣病は良くない生活習慣の積み重ねにより引き起こされる病気です。

歯周病も正しいお口のケアが習慣になっていないために徐々に進行していきます。

では実際にどのような疾患のリスクがあるのか具体的にご説明していきますね。

 

〇糖尿病

一番関連性が深いと言われています。

歯周病が悪化すると血中のサイトカインという炎症物質が増加し、血糖値を下げる働きがあるインシュリンの作用が低下してしまいます。その結果、糖尿病が発症・進行してしまうというわけです。また、糖尿病になると免疫力が下がり感染しやすくなる(易感染性)ことにより、歯周病にかかりやすく、また進行しやすくなります。

歯周病の治療をすることで、糖尿病も改善する(HbA1cの改善)という報告もあります。

 

〇アテローム性動脈硬化(心臓血管疾患、脳血管疾患)

歯周病菌の中には血管の中に侵入する力を持ったものがいます。血管の中に歯周病菌が侵入すると、歯周病によって発生した炎症物質(サイトカイン)とともに血管壁に傷をつけます。すると、その傷にコレステロールなどの蓄積が起こったり、血管壁が固くなることで動脈硬化が引き起こされます。そのため、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などの発症リスクが高まります。

歯周病の治療をすることで、血管の硬さが改善(拡張性の改善)するという報告もあります。

 

〇周産期合併症(早産・低体重児出産)

妊娠をすると、つわりがあったり食事の時間が不規則になったりして口腔内の環境が悪化しやすくなります。また、性ホルモンを餌にした歯周病菌が増えるなど、妊娠性の歯周炎にかかりやすくなります。それにより炎症物質(サイトカイン)や歯周病菌が血管を通って子宮まで到達すると早期に子宮の収縮がおこり、早産・低体重児出産のリスクが高くなります。

妊娠中に口腔内の環境を整えてあげると、早産・低体重児出産の割合が下がると報告されています。

 

〇誤嚥性肺炎

肺炎による死亡率は近年増加しています。高齢者の肺炎の多くは誤嚥性肺炎です。誤嚥性肺炎の原因は、歯周病菌をはじめとした口腔内の細菌が肺に入り(誤嚥)、肺に炎症をおこすことです。歯周治療や口腔ケアによる口腔内細菌を減少させることで肺炎の発症を著しく低下させ、死亡率も低下させるという報告があります。

 

〇肥満

歯周病で分泌された炎症物質(サイトカイン)がインスリン機能を低下させ、肥満を引き起こしていると考えられています。また、脂肪細胞から分泌される炎症物質(アディポサイトカイン)が歯周組織の炎症を亢進している可能性があるという報告もあります。

 

 

〇骨粗鬆症

骨粗鬆症は骨密度が低下し、骨折しやすい特徴がありますが、歯を支えている骨(歯槽骨)に関しても同様にもろくなってしまいます。

歯周病によって歯を失うと、上手く噛むことができず、消化不良を起こしたり、バランスの良い食事ができなくなることで、体全体に栄養が行き届かず、骨密度も低下することが考えられます。また、骨粗鬆症の患者さんは骨粗鬆症のない患者さんと比較して、歯周病が悪化しやすいという報告もあります。

 

〇関節リウマチ

関節リウマチのある患者さんは、リウマチのない患者さんと比べて歯周病になりやすく重症化しやすいといわれています。また、歯周病菌(Porphyromonas gingivalis) が持つ酵素が関節リウマチの発症、促進因子となる可能性が示唆されています。

 

近年では歯周病はアルツハイマー型認知症や非アルコール性脂肪性肝炎、慢性腎臓病、消化器系の癌、エイズ、コロナ感染症など多くの疾患と関連があることがわかってきました。

 

いかがでしょうか。口腔ケアの重要性を再認識していただけましたか?

何回も言いますが歯周病は決して放っておくべき病気ではありません。

むしろ知らずに進行していくことも多いからです。

 

今はどうもなくても定期的に歯の検診を行い、今の状態に問題がないのか専門医にしっかり見てもらいましょう。そしていつまでも健康を維持しましょう!

 

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