歯周病とは
2023.05.31
食べることは心身のストレスを緩和し、栄養も摂取でき、何より体の健康に食は欠かせません。
食べることと同じほど大事なこと、それは食後の正しいケアを行うということです。
正しい口腔内清掃ができていなければ、むし歯や歯周病といった病気になり、放っておくと後々全身の疾患に繋がりかねません。→歯周病が原因で起こる全身疾患とは?
皆さんの健康を守るために、まず今回は、【よく耳にはするものの実はあまり詳しく知られていない歯周病】についてぜひ知っていただきたいと思います。
そもそも歯周病ってどんな病気なの?
簡単に言うとその名の通り歯そのものではなく歯の周りの病気のことです。細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患で、歯の周りの歯ぐき(歯肉)や、歯を支える骨などが溶けてしまう病気をいいます。
歯と歯肉の境目(歯肉ポケット)の清掃が行き届かないでいると、そこに多くの細菌が停滞し、歯肉の周りが炎症を起こして赤くなったり腫れたりします。ただ痛みはほとんどの場合ありません。さらに進行すると膿が出たり歯が動揺してきて、最後には歯を抜かなければならなくなってしまいます。
【下記挿絵参照】
- 健康な歯肉の状態…歯肉は引き締まっており、ピンク色をしています。
- 歯肉炎…【歯肉にのみ炎症が生じたもので、歯根膜や骨(歯槽骨)までは破壊されていない状態】
歯肉は暗赤色で丸みを帯びて腫れ、歯磨きの時や固いものを食べたときに出血しやすくなります。正しいブラッシングと歯石除去で改善されます。
- 軽度歯周炎…【骨(歯槽骨)が歯根の長さの1/3まで消失している状態】
歯肉の炎症が進行すると歯と歯肉の付着器官が溶け、歯周ポケットができます。また、歯を支えている骨(歯槽骨)が溶け始めます。
- 中等度歯周炎…【骨(歯槽骨)が歯根の長さの1/3~1/2程度まで消失している状態】
炎症がさらに悪化すると歯槽骨が溶けて歯根部が露出します。歯根が冷たいものや熱いもので凍みたりすることもあります。歯石が歯周ポケットの深くに付着し歯肉が腫れ、膿が出てきます。口臭もひどくなり、歯を支えている骨の吸収により歯がグラグラ動きます。
- 重度歯周炎…【骨(歯槽骨)が歯根の長さの1/2以上消失している状態】
歯槽骨がほとんど無くなり、歯根が露出しています。歯を支える歯槽骨が無くなれば歯は抜けてしまいます。
このように歯周病は実はとても恐い病気なので、決して放っておかないようにしましょう!
まずはセルフチェックをしてみましょう!
以下のような症状が3つ以上あるならば歯周病予備軍もしくは歯周病と診断されることもあります。
- 歯肉が赤く腫れている。(健康的な歯肉はピンク色で引き締まっている)→健康な歯肉と歯周病の歯肉の違い
- 歯肉がむずがゆい、痛い。
- 口臭が気になる。→口臭予防について
- ブラッシング時に出血する。
- 朝起きたとき、口の中がネバネバする。
- 歯肉から膿がでる。
- かたい物が噛みにくい。
- 歯がグラグラする。
- 歯が長くなったような気がする。
- 前歯が出っ歯になったり、歯と歯の間に隙間がでてきた。
- 食べ物が詰まる。
いかがでしたか?何か気になる項目がありましたか?
これらにあてはまらないとしても知らず知らずのうちに無症状で進行する場合があります。どんなに気をつけていても、歯磨きをしっかり行っていてもどうして歯周病は発症してしまうのでしょうか?
次回は歯周病による全身疾患についてまた詳しくお伝え致しますね。