口臭の原因と、予防のための2つのポイント
2023.07.31
口臭はなかなか自分では気づきにくく、知らずのうちに周りを不快にさせてしまう可能性のあるものです。今回は、口臭の原因と予防についてご紹介します。
口臭の原因
口臭の原因には様々なものがありますが、主に3つに分けられます。
生理的口臭
生理的口臭とは、唾液の分泌量が減ることによって生じる口臭です。誰でももっている口臭ですが、1日の中でも時間帯や状況によって口臭の感じ方に差があります。例えば、起床時など唾液の分泌量が減ると、唾液の自浄作用が弱まることによりお口の中の細菌が増えます。増殖した細菌がお口の中のタンパク質を分解し、口臭のもととなる物質(揮発性硫黄化合物)を発生させるため、口臭を感じやすくなります。
病気による口臭
病気による口臭は、さらに2つに分けられます
・お口の中の病気によるもの
代表的なものは歯周病による口臭です。歯周病になると、歯と歯ぐきの間にできた深い歯周ポケットに細菌が棲みつきます。その細菌の中でも、嫌気性菌が口臭の原因となる硫黄水素やメチルカプタンを産生し、独特なにおいの口臭を生じさせるのです。そのほか、ドライマウスなどにより唾液の分泌量が低下することや、舌苔とよばれる舌の汚れが原因となり口臭を生じることもあります。
・全身の病気によるもの
肺がんなどの呼吸器系、胃がんなどの消化器系、扁桃炎や咽頭がんなどの耳鼻咽頭系は、タンパク質の壊疽臭を生じます。糖尿病ではアセトン臭、肝硬変や肝臓がんではアンモニア臭など、病気によって特徴の異なる口臭を生じます。
食べ物による口臭
ニンニクやニラなどの臭いの強い食品を食べると、体内に取り込まれた臭いのもととなる成分が血液を介して全身を循環し、最終的に肺を経由して吐息とともに放出されます。飲酒、喫煙でも同様のことが起こります。
口臭を予防する2つのポイント
では、これらの口臭を予防するにはどのようなことに気をつけたらよいのでしょうか。
お口の中を清潔に保つ
病的口臭の大きな原因となるのが、プラーク(歯垢)などのお口の中の汚れです。毎日の丁寧な歯磨きのほか、歯間ブラシやデンタルフロスといった補助清掃用具も活用し、できる限り除去していきましょう。舌苔とよばれる舌の汚れも口臭の原因となります。舌を歯ブラシでゴシゴシ磨くとかえって粘膜を傷つけてしまうため、舌専用のブラシや柔らかめの歯ブラシを使って奥から手前に磨きましょう。
唾液の分泌を促す
生理的口臭はだれにでもあるものなので、完全に消滅させることはできません。予防策として挙げられるのは、唾液の分泌量を増やすということです。食事をよく噛んで唾液の分泌を促す、お口が乾燥しないように鼻呼吸をする、適度な水分補給を心がけるなどのことに気をつけるとよいでしょう。
まとめ
口臭の原因は様々であり、自分で特定することが難しい場合も多くあります。お口の中を清潔に保つ、生活習慣を見直す、唾液の分泌を促すなどご自身で取り組める予防法もありますが、病的口臭の場合は原因となる病気を治さない限り、根本的な解決にはなりません。歯科医院などで専門的な検査を行うこともできますので、口臭が気になる方はお気軽にご相談ください。