エアフロー
2023.09.15
エアフローとは
エアフローとは歯面清掃を行う機械の一種です。炭酸水素ナトリウムやグリシンなどのパウダー粒子をジェット噴射で歯に吹き付けることにより、通常の歯磨きやクリーニングでは落とし切ることのできないバイオフィルムや着色などの汚れを効率的に除去することができます。
当院で導入している「エアフロープロフィラキシマスター」は、Guided Biofilm Therapyとよばれる予防処置計画に基づいてスイスで開発された医療機器で、より快適・安全にそして短時間で治療ができるように設計されています。
エアフロープロフィラキシマスターの特徴
①従来のものより痛みが少ない
超音波による振動がコントロールされているため、従来の歯石除去よりも痛みが少ないことが大きな特徴です。施術後は、歯の表面がツルツルと気持ちの良い感覚を得られます。
【補足】
エアフローでは、毎秒3万回以上の線形振動のスマートピエゾン機能により、精度の高い清掃効果を期待できます。また、チップに伝わる抵抗値に応じて超音波の出力を自動で調節できるため、患者様の快適性向上に寄与します。
②歯や歯ぐきを傷つけにくい
エアフローで使用するパウダーは目に見えないほど細かな粒子であるため、歯や詰め物、被せ物、歯ぐきなどを傷つけることなく、効率的に色素沈着やバイオフィルムなどを除去することができます。
【補足】
先端がより薄いペリオフローノズルを使用することにより、歯周ポケットの清掃も可能です。器具が届かない歯ぐきの奥まで効率よく汚れや細菌を除去することができます。また、パウダーは生体親和性の高い安全な成分からできているため、歯ぐきの中にパウダーが残ったとしても問題ありません。
③むし歯の早期発見にも繋がる
プラークやバイオフィルムを除去することは歯周病予防において非常に大切なことでですが、歯面をクリアにすることでむし歯の早期発見にも繋がります。
④幅広い患者様に使用可能
エアフローは2歳以上のお子さまやご妊娠中の方など幅広い年齢層の方にご使用いただくことができ、歯列矯正やインプラントのメンテナンスにも適しています。また、水温は5段階(非加温、25度、30度、35度、40度)に調節できるため、知覚過敏のある患者様も安心してご使用いただけます。
エアフローと従来のクリーニングの違い
従来のクリーニングでは、汚れを落とすためのチップやラバーカップが直接歯面に触れるため、目に見えないほどのものではありますが表面が傷ついていることがわかります(下図)。この傷がバイオフィルムの温床となり、さらなる炎症を引き起こす可能性があります。
エアフローではパウダー粒子を噴射する空気圧で汚れを除去するため、エアフローの機械が直接歯面に触れることはありません。そのため、歯面を傷つけることなく、表面に付着したバイオフィルムのみを除去しています(下図)。また、粒子が非常に細かいので歯周ポケット内にも入り込み、細菌を分解することでお口の中をより清潔に保つことができます。
エアフローでのクリーニングの様子
処置前には専用の薬剤で染め出しを行い、汚れの箇所を明確にしてからクリーニングを行います。一見綺麗に磨けているように見えても、染め出しを行うと見えない汚れがよく分かります。
従来のクリーニングとの比較動画がこちらです。
従来のクリーニングでは、汚れを手動で落としていくため時間もかかります。エアフローであれば、機械が直接歯面に触れることなく、噴射されるパウダー粒子によって短時間で汚れが落ちていく様子がわかります。
まとめ
このように、エアフローは短時間で効率的に歯の着色やむし歯・歯周病の原因となるバイオフィルムを除去することが可能です。エアフローでの処置は保険適応外にはなりますが、従来のクリーニングでは叶えられない快適で精度の高いクリーニングが実現できます。ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。