定期健診と歯の残存率の関係性|水戸市の歯医者

定期健診と歯の残存率の関係性

2023.10.31

80歳までに何本歯を残せますか?

8020運動をご存知でしょうか。これは平成元年から厚生労働省と日本歯科医師会が推進しているもので、「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という運動です。なぜ20本なのかは、硬いものでもしっかり噛んで食事を楽しむには自分の歯が20本程度必要といわれていることが根拠となっています。この運動が始まった当初は7%ほどの達成率でしたが、現在では約半数の人が8020を達成できるようになりました。しかし、まだ半数です。8020運動の次のステップとして、歯周病などの歯を失う原因となる疾患の重症化を防ぎ、生活の質(QOL)を良好に保つ「8020健康長寿社会」の実現を目指しています。

 

 

 

 

 

 

定期検診の受診率と歯の残存率の関係性

厚生労働省が発表したデータ(2018年度歯科疾患実態調査)によると、80歳代の日本人の平均残存歯数は13本でした。一方、歯科先進国であるスウェーデンは21本と、8本もの差があることがわかります。この要因は、定期検診の受診率の差にあるのではないかと考えられています。スウェーデンでは子どもの頃から予防のために歯科医院に通う習慣が身についており、国民の約9割が定期健診を受けているというデータもあります。一方、日本では長らく「痛くなってから歯科医院に行く」という習慣が根強く、予防歯科の考え方が広まってきたのも比較的最近のことです。厚労省の最新の調査によると「過去1年間に歯科検診を受けた者の割合」は52.9%と年々上昇傾向にはありますが、この数字は決して満足できるものとは言えないでしょう。

 

 

 

 

 

 

定期健診の受診率と歯周病の罹患率は反比例している

歯を失う原因として最も多い歯周病に罹患している人は、45歳以上で約半数ともいわれています。

歯周病は細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患で、歯の周りの組織が破壊される病気です。

歯と歯ぐきの境目に歯肉ポケットが形成され歯周病原菌が繁殖し、炎症を起こすことで歯ぐきが腫れる、出血するなどの症状がみられますが、初期段階のうちは自覚症状がほとんどないため、歯周病になっていても自分では気づけていない人が多いのです。

自覚症状が出るようになった頃には、中等度や重度にまで歯周病が進行していることも少なくありません。

定期的に健診を受けることで、歯周病の有無をチェックできるだけでなく、歯周病にならないための歯磨き習慣を身につけることができ、歯の喪失を未然に防ぐことができます。

 

 

 

 

 

まとめ

当医院では3か月~半年に一度の定期健診の受診をおすすめしており、むし歯や歯周病が生じていないかということをチェックするだけではなく、毎日の歯磨きや口腔ケアがしっかり行えているかを客観的に評価し、ご自身でお口や歯の健康を守れるように全力でサポートをしていきます。

日本では8割近い方が1日2回以上の歯磨きをしていますが、実際に磨けている人はかなり少なくなります。「磨いている」ことより「磨けている」ことに気を付けて、お口のケアができるようにしていきましょう。ご自身の歯はご自身でしか守れません!

生涯を通して自分の歯で美味しく食事を楽しむためにも、毎日の正しい歯磨きと定期健診の受診を欠かさず行うようにしましょう。

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