歯が動く仕組みとは?|水戸市の歯医者

歯が動く仕組みとは?

2024.01.15

なぜ矯正治療で歯が動く?

歯はとても硬い組織(骨)にしっかり埋まっているにも関わらず、なぜ矯正装置をつけると動くのか疑問に思う方も多いのではないでしょうか。歯は歯根(歯の根)が歯槽骨と呼ばれる顎の骨に支えられることで生えていますが、歯と歯槽骨の間にはクッションのような役割をする歯根膜という組織があります。歯根膜は厚さ約0.2mmの弾力のある薄い膜です。コラーゲンからなる歯根膜繊維のほか、毛細血管やリンパ球なども含まれています。矯正治療で歯が動く際には、この歯根膜で起こることが大きく関係してきます。

 

 

 

 

 

 

歯根膜では何が起きている?

歯の周りには、歯を支えている骨(歯槽骨)があります。この歯槽骨と歯の根の間には歯根膜とよばれる膜があり、この膜が存在することで歯槽骨と歯の根は結びついています。歯根膜は食べ物を噛んだときに歯にかかる力を緩和してクッションのような役割をするもので、矯正で歯が動くときにも歯根膜が大きな役割を果たします。

 

 

 

 

 

 

 

矯正装置によって力をかけて歯を引っ張ると、その力は歯根膜にも伝わります。歯が動く方向にある歯根膜は圧迫されて縮み、反対側の歯根膜は引っ張られて引き伸ばされます。

 

 

 

 

 

 

 

歯根膜は自らの厚みを保とうとする特性があるため、縮んだ歯根膜が元の厚さに戻ろうとして骨を溶かす細胞をつくりだします。この反応により、歯が動く方向にある骨を溶かします。この一連のメカニズムが「歯槽骨の吸収」です。

 

一方、歯が動く方向と反対側にある歯根膜は、装置によってかかる力で引き延ばされます。伸びた歯根膜も同様に元の厚さに戻ろうとしますが、このとき新たな骨を生み出す細胞が作り出されます。この炎症反応により歯が動いたあとのスペースが埋まる流れを「歯槽骨の再生」といいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

このように、骨が溶かされたり作られる性質を利用して歯は動いています。歯槽骨の吸収と再生は炎症反応の一つであるため、歯が動くときには痛みや違和感を生じるのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

矯正治療での歯の動かし方

矯正治療では、決まった方向にのみ歯を動かすわけではありません。目標とする歯並びを実現するために、様々な方向や角度を細かく計算しながら歯を動かしていきます。歯の動かし方には様々な種類がありますが、代表的なものをご紹介します。

 

・水平移動

歯と歯の隙間をなくしたいときには、歯を水平方向に移動させます。

 

 

 

 

 

 

 

・傾斜移動

歯根の先から3分の1付近を中心として、歯を傾斜させながら歯冠を移動させます。

 

 

 

 

 

 

 

・捻転

捻じれている歯の向きを治したいときには、歯の長軸を中心にして歯を回転させます。

 

 

 

 

 

 

 

・挺出

歯冠方向に向かって動かしたいときに、歯を引っ張り出します。

 

 

 

 

 

 

 

・圧下

歯根方向に向かって歯を動かしたいときには、歯を奥に引っ込めます。他の動かし方に比べて難しいとされている方法です。

 

 

 

 

 

 

 

まとめ

今回は矯正治療で歯が動く仕組みについてご紹介しました。治療を始めてすぐには歯の動きを実感できないこともあるかもしれませんが、見た目に分からないほど少しずつ歯は動いているのです。歯が動くときには、押された側の骨が溶け、引っ張られる側の骨が出来てくることで骨の中を移動します。つまり、歯周病で炎症があると押される側で溶けすぎて、引っ張られる側に予定より骨ができないことがあります。矯正治療をする場合には歯周病をきちんと治療してから行います。

矯正治療では歯科医師が歯の動き方を細かく計算しながら、定期的に治療計画の確認や装置の調整を行っていますので、治療に際し不安なことや疑問に思うことがありましたら遠慮なくお話しください。

当医院では、歯列矯正に関するご希望やご予算、ライフスタイルに合わせた治療方法をご提案いたしますので、お気軽にご相談ください。

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