歯を失ったときの欠損修復方法
2024.06.15
歯を補う治療の必要性
むし歯や歯周病、外傷など、人は様々な原因により歯を失うことがあります。歯を失った箇所をそのまま放置してしまうと様々な不具合が生じるため、歯を補う治療が必要です。→「歯を失ったあと放置するとどうなる?」
歯を補う治療方法には、ブリッジ、入れ歯、インプラントの選択肢があります。今回は、これらの3つの治療についての概要をご紹介します。
ブリッジ
欠損した歯の両隣の歯を支えとして、連結された被せものを装着する治療方法を「ブリッジ」といいます。
【メリット】
・天然歯の6割ほどの力で噛めるといわれている
・被せものは固定されているため噛んだ時の違和感が比較的少ない
・保険適用も可能(材質による)
・手術などの外科処置が不要で、比較的短期間に治療が完了できる
・取り外して洗浄する手間がない
【デメリット】
・連結された被せものを支えるために健康な歯を大きく削らなければならない
・支えとなる歯に負担がかかり、歯の寿命を縮めてしまう可能性がある
・ブリッジと歯ぐきの隙間に汚れたまりやすく、清掃がやや難しい
・保険適用の場合は銀歯になるため、審美性にやや劣る
・支えとなる両隣の歯が歯周病の場合、ブリッジが対象外の事もある。
入れ歯(部分入れ歯・総入れ歯)
人工の義歯で歯の欠損を補う治療方法が「入れ歯」です。部分的な欠損を補う「部分入れ歯」と、上下どちらかの全ての歯を補う「総入れ歯」があります。
【メリット】
・保険適用も可能(材質やデザインによる)
・取り外して洗浄ができるため、比較的清掃が容易
・手術などの外科処置が不要で、比較的短期間に治療が完了できる
【デメリット】
・噛む力は部分入れ歯で天然歯の3割程度で、総入れ歯で1~2割ほどといわれている
・入れ歯が歯ぐきとなじむまで、痛みが生じることがある。そのため、何度か調整が必要になる
・歯ぐきが痩せて入れ歯が合わなくなると、作り直す必要がある
・クラスプとよばれる入れ歯の留め具により審美性が劣る(保険の部分入れ歯の場合)
・クラスプをかける歯に負担がかかる(部分入れ歯の場合)
・食べ物の味や温度を感じにくくなる(総入れ歯の場合)
インプラント
歯の欠損箇所の顎の骨に人工歯根(インプラント体)を埋め込み、その上から人工歯を被せる治療方法を「インプラント」といいます。
【メリット】
・天然歯と同じような感覚でしっかり噛むことができる
・自然で美しい見た目
・残っている他の歯に負担をかけない
・取り外して洗浄する手間がない(ただし、天然歯と清掃方法が異なるため、衛生士指導のもと適切な清掃が必要)
【デメリット】
・外科処置が必要である
・治療期間は数か月~1年程度かかる
・自費診療となるため、費用が高額になる
・歯周病のリスクが高い方は、歯周病の治療を先行して行う必要がある
まとめ
今回は歯を失ったときの欠損修復方法についてご紹介しました。ブリッジ、入れ歯、インプラントの治療にはそれぞれにメリットやデメリットがあるため、これらをしっかり理解したうえで治療方法を検討していくことが大切です。担当歯科医師とよく相談し、患者様にとって最善な治療方法を探っていきましょう。