レントゲンについて①
2024.07.12
歯科医院でのレントゲン検査
多くの方が、歯科医院での定期検診などでレントゲンを撮影したご経験があるのではないでしょうか。「何が写っているのか」「なぜ定期的に撮らないといけないのか」「妊娠中でも大丈夫?」など疑問や不安に思われることもあるかもしれません。レントゲンでは歯や骨、金属や薬剤などの人工物は白く、歯ぐきや粘膜、筋肉は黒く映ります。歯科医院で撮影するレントゲンは、大きく分けて以下の4種類があります。
・パノラマレントゲン
・デンタルレントゲン
・セファロ
・CT
今回のブログでは、主にパノラマレントゲンとデンタルレントゲンについてお話ししていきます。
レントゲン検査を行う目的
むし歯や歯周病をはじめとするお口の中で起こっている病気は、直接肉眼で見ただけでは分からないものがほとんどです。むし歯の有無や進行状況、詰め物や被せ物の適合状態、歯の根の状態、歯周病の進行状況(歯を支えている骨の状態)、まだ生えていない歯の状態、顎の関節の状態などをみるために撮影されます。何を重点的に把握したいかによって、パノラマレントゲンとデンタルレントゲンを使い分ける必要があります。
【パノラマレントゲン】
目の周囲から下顎までの範囲を一度に撮影できるレントゲンです。大きな装置が頭の周りをぐるっと一周回りながら撮影し、1枚の画像にすべての歯や顎の骨が写ります。お口の中全体の様子を把握したいときに撮影します。
【デンタルレントゲン】
隣り合う3~4歯を撮影するためのレントゲンです。約3cm×4cmの大きさのフィルムをお口の中に入れて撮影します。撮影範囲が狭まる分、パノラマレントゲンよりも精密に映し出すことができます。
妊娠中のレントゲン撮影は大丈夫?
レントゲンを撮影する際に気になる点といえば被ばく量ではないでしょうか。結論から申しますと、妊娠中であっても歯科医院でのレントゲン撮影には大きな問題はありません。私たち人間は生きているだけで自然界から放射線を浴びており、その被ばく量は年間で約1.5~2.4mmSvと言われています。それに対し、パノラマレントゲンの被ばく量は0.03mmSv、デンタルレントゲンで0.01mmSvとごく僅かです。この僅かな被ばく量を懸念するよりも、レントゲン撮影によって得られる情報の有益性が上回ると考えられています。歯科でレントゲンを撮影する範囲は腹部からある程度離れた頭部であり、また撮影時には防護衣をつけていただくため、胎児への放射線の影響は限りなく少ないと言えるでしょう。
まとめ
今回はレントゲンについてご紹介しました。患者様にとってより精確で安全な歯科治療を進めていくためにも、レントゲンは非常に重要な検査です。検査に際しご不明点やご不安な点がある場合は、遠慮なくお声がけください。