レントゲンについて②
2024.07.31
歯科医院でのレントゲン検査
むし歯や歯周病をはじめとするお口の中で起こっている病気は、直接肉眼で見ただけでは分からないもの方がほとんどです。レントゲンでは歯や骨、金属や薬剤などの人工物は白く、歯ぐきや粘膜、筋肉は黒く映ります。歯科医院で撮影するレントゲンには、パノラマレントゲン、デンタルレントゲン、セファロ、CTなどがあります。
今回のブログでは、セファロについてお話ししていきます。
セファロとは
セファロとは、「頭部X線規格写真」のことです。一般的な歯科治療で行われることはほとんどなく、主に歯列矯正や全顎治療を行う場合にセファロを撮影します。前回のブログ(→リンクを貼る)でご紹介したパノラマレントゲンやデンタルレントゲンは主に歯を撮影するものですが、セファロでは頭部全体を正面や、横から撮影します。セファロでは撮影をする際の被写体までの距離やフィルムまでの距離が定められているため、いつでも同条件で撮影ができるようになっています。したがって経時的に撮影を行えば、骨格の成長や歯の動きによる変化を観察することもできます。
セファロから分かること
歯列矯正治療を始める前には、その時の歯並びや噛み合わせを確認して治療計画を立てるためにセファロを撮影します。セファロでは主に以下のようなことが分かります。
・顎の骨の大きさや形
・上下の顎の骨や歯の位置関係
・歯の傾斜
・歯列全体の噛み合わせ
・上下の大臼歯(奥歯)の位置関係
・骨格のバランス
・成長の傾向
例えば、受け口(下顎前突)が疑われる場合には骨格に原因があるのか、もしくは歯に原因があるのかを見極める必要があります。もちろん、どちらかだけでなく骨格と歯の両方が原因で受け口になっている可能性もあります。不正咬合の原因を明らかにすることで、最も適した治療計画を立てられるのです。
セファロによる分析
セファロで撮影をした画像に、頭部の骨や顔の輪郭などの点を一つひとつ書き記していきます。セファロではあらかじめ基準となる点や線が定められており、それと比較することであらゆる分析を行います。この基準点は日本だけのものではなく世界共通で用いられており、基準点を結んだ線をもとに顎の骨や歯の位置、歯の大きさなどを分析していきます。
まとめ
今回はセファロについてご紹介しました。患者様にとってより精確で安全な歯科治療を進めていくためにも、レントゲンは非常に重要な検査です。検査に際しご不明点やご不安な点がある場合は、遠慮なくお声がけください。