これまでのTBIとこれからのOHIは何が違う?
2024.09.13
歯科医院でセルフケア指導を受ける意義
歯科医院に定期的に行ってクリーニングさえ受ければよいと思っていませんか?クリーニングでお口の中を清潔にできても、その効果は数日しか保たれません。ご自宅で正しくセルフケアができてこそ、クリーニングの効果も活きてきます。お口の健康を守るために最も大切なのは、日常的に行う患者様ご自身でのセルフケアです。歯科医院と患者様の双方がお口の健康に対する意識を共有し、協力しながらケアを行っていくことに意義があります。
TBIとは
歯科医院で受ける歯磨き指導を、これまではTBI(Tooth Brushing Instruction)と呼んでいました。具体的には、歯ブラシの持ち方、歯ブラシの当て方、磨くときの力加減、デンタルフロスや歯間ブラシの使い方などを歯科衛生士が患者様お一人おひとりに合わせてアドバイスします。毎日歯磨きをしているのにむし歯や歯周病になってしまう方は、実は「正しく」磨けていないのかもしれません。TBIでは、患者様が歯磨きをはじめとするセルフケアを「正しく」行い、ご自身でお口の健康を守れるようになるためのお手伝いをします。
OHIとは
OHIはOral Hygiene Instructionの略で、「口腔衛生指導」という名称です。単なる歯磨き指導にとどまらず、食生活や生活習慣も含めて歯科衛生士がアドバイスを行い、お口の健康を保つために何ができるのかを考えていきます。歯科業界ではこれまでTBIという用語が主に用いられてきましたが、これからの時代はOHIが必要であると近年話題になっています。
TBIとOHIの違い
TBIとOHIどちらも歯科医院でのセルフケア指導ではありますが、TBIは「指導」の側面が大きいのに対し、OHIはあくまで患者様の自立を「支持・支援」するスタンスです。一方的に磨き方を押しつけるのではなく、患者様のライフスタイルや全身状態を考慮した上で、自ら適切なセルフケアや歯磨きができるように後押しをするという点もTBIとOHIの大きな違いです。TBIよりも時間はかかるかもしれませんが、患者様が自分で自らのお口の健康を守る必要性を理解し、適切なセルフケアをできるようになることが令和の時代に求められているセルフケア指導の在り方ではないかと言われています。
まとめ
今回はTBIとOHIの違いについてご紹介しました。患者様のお口の中の状態がお一人おひとり違うように、その方にとっての最適なセルフケアや正しい歯磨きの方法も異なります。患者様のお口の中の状態やライフスタイルに最も適した磨き方ができるようになるまで、向き合ってまいります。毎日のケアで気になることがございましたら、どんな些細なことでもお気軽にお話しください。